転職体験談

ハローワーク求人票の見方|2回転職した私はどこを見て決めたか

自宅のテーブルでハローワークの求人票を両手で持ち、落ち着いた表情で読んでいる男性のイラスト

ハローワークの求人票は、項目がたくさん並んでいます。どこから見ればいいのか、最初は迷うと思います。

私は転職エージェントを使わず、2回とも自分で求人を探して転職しました。そのどちらでもハローワークを利用しています。

先に申し上げておくと、これは「求人票の読み方を間違えて失敗した」という話ではありません。振り返ってみると、読み方そのものは大きく外していなかったと思います。

それでも、あとから思ったことがひとつだけありました。

求人票って項目が多くて、結局どこを見ればいいのか分からないんです。
私も同じでした。この記事では、私が実際にどの順番で何を見ていたかと、公式に定められている各欄の意味を並べて整理します。読み方が固まると、迷う時間はかなり減るはずです。

この記事のポイント

  • 筆者はエージェント未使用。2回ともハローワークを使って転職しました
  • 賃金欄の下限額には公式に決まった意味があります
  • 求人票の賃金は手取りではありません
  • 「昇給」「賞与」は前年度の実績であって、約束ではありません
  • 求人票に書いていない情報があることも、正直に書きます

私はハローワークの求人票をこう見ていた

ネットで探して、その求人を持って窓口へ行った

私の転職は2回です。使い方は毎回少し違いました。

1回目は、窓口で紹介された求人に応募しました。2回目は、ハローワークインターネットサービスで自分で探した求人を持って、窓口へ足を運んでいます。

この「ネットで探して、窓口へ持っていく」という進め方は、私が思いついたやり方ではありません。ハローワークが案内している標準的な流れそのものでした。

ハローワークでの職業紹介の流れ(公式)

  1. 応募する求人を選ぶ:求人情報提供パソコン又はハローワークインターネットサービスで応募したい求人を探します
  2. 窓口へお越しください:ハローワークの職業紹介窓口へ
  3. 条件の確認:窓口の職員と面談し、希望条件に合致しているか、資格や経験など、応募可能であるか確認します
  4. ご希望の事業所へ電話:ハローワークの職員が事業所へ電話し、面接日の調整や応募書類の確認などを行います
  5. 紹介状の発行:応募に必要な、ハローワーク紹介状をお渡しします

出典:大阪労働局・ハローワーク「ハローワークでの職業紹介の流れ」

求人を探すところまでは自宅で完結します。応募の段になって窓口へ、という組み立てでした。

実際に見ていた項目と、その順番

求人票のどこを見ていたか。思い出せる範囲で並べると、こうなります。

勤務地 → 給与 → 休日 → 残業 → 従業員数。

特別なこだわりがあったわけではなく、おおむね求人票に書いてある順に、上から目を通していただけです。この順番があとで少し気になってくるのですが、それは後半で触れます。

この記事で書けること・書けないこと

先に断っておきます

  • 書けること:私が求人票のどこを見て、どう判断したか
  • 書けないこと:応募先企業の内情や、私が経験していないケースの話

私が確認できたのは、自分が見た求人票と、自分が進めた手続きだけです。各欄の意味に触れる部分は、すべてハローワークが公式に示している情報にもとづいています。

求人票には何が書いてあるのか

まず全体像です。ハローワークの求人情報は、次の順で並んでいます。

ハローワークの求人情報の項目と並び順 上から順に、求人番号等、求人事業所、仕事内容(就業場所を含む)、賃金・手当、労働時間(就業時間と休日)、その他の労働条件等、会社の情報等、求人に関する特記事項の8つのまとまりで構成されている。就業場所は仕事内容のまとまりに、休日は賃金より後ろの労働時間のまとまりに置かれている。 求人情報の項目と並び順 1. 求人番号等 2. 求人事業所 3. 仕事内容(雇用形態・就業場所・試用期間) 4. 賃金・手当(賃金・通勤手当・昇給・賞与) 5. 労働時間(就業時間・休日等) 6. その他の労働条件等(加入保険等) 7. 会社の情報等 8. 求人に関する特記事項 賃金は4番目 休日・残業は5番目 出典:ハローワークインターネットサービス「求人情報の見方」
出典:ハローワークインターネットサービス「求人情報の見方」をもとに作成。表示形式は求人により異なる場合があります。

ここで押さえておきたいのは、勤務地(就業場所)は「仕事内容」のまとまりに入っているという点です。給与とは別のブロックにあります。

そして休日や就業時間は、賃金よりも後ろに置かれています。上から順に読んでいくと、お金の話を先に見ることになるわけです。

賃金欄の見方|「月給20万円〜35万円」をどう読むか

求人票でいちばん迷いやすいのが、ここだと思います。金額が「20万円〜35万円」のように幅で書かれているためです。

下限額には、決まった意味がある

この幅の下のほうの金額、つまり下限額については、ハローワークが求人を出す企業向けに意味をはっきり示しています。

「賃金」欄の下限額とは(公式)

「賃金」欄の下限額は、応募基準を最低限満たす人を採用した場合に支払う予定の金額です。

「賃金」欄に記載した金額は順守してください

出典:ハローワークインターネットサービス「求人申込み、採用・選考に当たっての留意事項 ~ハローワークからのお願い~」(求人を出す事業主向けの案内)

言い換えると、下限額は「その求人に応募できる条件を最低限クリアした人なら、これくらいは出します」という額ということになります。

私は当時、この幅を下限で見ていました。上限の35万円のほうを自分の想定にはしていません。理屈があったというより「高いほうで期待するのは危ないだろう」という感覚でしたが、公式の定義を後から知って、そう外れた見方でもなかったと感じています。

上限の金額で考えるのは、やっぱりまずいですか?
まずいというより、上限が誰に対する金額なのかは求人票からは読み取れません。下限のほうは意味が定義されていますから、そちらを基準に置くほうが計算しやすいと思います。

求人票の賃金は、手取りではない

もうひとつ大事な点があります。求人票に載っている賃金が何を指すのか、という話です。

求人票の賃金に含まれるもの(公式)

求人票に掲載された求人賃金は、基本給と定期的に支払われる手当の合計(固定残業代を含む)とされています。

つまり、ここから税金や社会保険料が引かれる前の金額です。手取り額ではありません。

出典:厚生労働省「みんなの労働ナビ」ハローワークの求人・賃金について(掲載データ:令和8年1〜3月期)

ここも私は理解していました。額面と手取りが違うことは、それまでの給与明細で分かっていましたので。

注意したいのは固定残業代が含まれる場合があることでしょう。同じ「月給25万円」でも、固定残業代が入っているかどうかで、実際に働く時間あたりの金額は変わってきます。この点は求人票の記載を確認するか、窓口で聞いてみるのが確実です。

「昇給」「賞与」は前年度の実績

賞与の欄に「年2回」と書いてあると、それが毎年もらえるものとして計算したくなります。ただ、ハローワーク側がこの点にはっきり注意書きを付けています。

昇給・賞与欄について(公式)

「昇給」「賞与」は前年度実績です。採用後の待遇を約束するものではありませんのでご注意ください

出典:ハローワークインターネットサービス「求人情報の見方」

実績として過去にどうだったかは分かる。ただし今後の保証ではない。この線引きを頭に置いておくと、年収の見積もりが慎重になります。

求人票を見るときの確認ポイント

ここまでを踏まえて、確認しておきたい点をまとめます。

求人票の確認ポイント

  • 賃金は下限額で見積もる(下限=応募基準を最低限満たす人に支払う予定の額)
  • 賃金に固定残業代が含まれていないかを確認する
  • 賃金は額面。手取りはここから差し引かれる
  • 「昇給」「賞与」は前年度実績。年収計算に入れるかは慎重に
  • 就業時間・休日は賃金より後ろの欄にある。読み飛ばしに注意
  • 分からない欄は窓口で聞ける

「書いてある順」に見ると、優先順位とずれることがある

ここで、先ほど保留にした話に戻ります。

私が転職で重視していたのは、残業の少なさと休みの取りやすさでした。年収は下がってもいいから、時間に余裕のある働き方をしたい。そういう軸で会社を探していたはずなんです。

ところが求人票を見るときは、書いてある順に上から目を通していました。並び順でいうと、賃金が4番目で、就業時間と休日は5番目です。自分がいちばん気にしていた項目より先に、お金の欄が目に入る構造になっていました。

これで判断を誤ったとまでは言いません。ただ、自分の優先順位と、票のレイアウト順は別物です。もし今から求人票を見るなら、自分が重視する欄から先に確認する読み方を試すと思います。

たしかに、上から順に読むのが当たり前だと思っていました。
書式は誰にとっても同じ順番ですが、優先順位は人それぞれ違いますからね。並び順に引きずられていないか、一度確かめてみる価値はあると思います。

それでも足りなかったもの|求人票に書いていないこと

正直に書きます。「この欄をちゃんと見ておけばよかった」という後悔は、あまりありません。

賃金は下限で見ましたし、額面であることも分かっていました。勤務地も休日も残業も、ひととおり確認しています。狙っていた労働条件は、実際に手に入りました。

それでも、あとになって思ったことがあります。

給与面について、もっとしっかり考えておけばよかった。

読み方の問題ではありません。求人票に書いてある金額は、正確に読み取れていたはずです。足りなかったのは、その先でした。

求人票に書いてあること/書いていないこと

  • 書いてあること:その会社が提示する条件(賃金・勤務地・休日・就業時間など)
  • 書いていないこと:その条件が、自分の経歴に対して妥当かどうか

後者は求人票の役割ではありません。求人票は「この会社はこういう条件で募集しています」を正確に伝える書類であって、「あなたの場合はこのくらいが相場です」を教える書類ではないからです。

私が持っていた物差しは、前職の給与だけでした。それより高いか低いか。その一本しか基準がないまま、提示された金額を受け取っていたことになります。

でも、それは求人票を見ても分からないですよね。
そうなんです。だから求人票の読み方をいくら磨いても、そこは埋まりませんでした。別の手段が必要だったんだと思います。

実際に転職したあと何が起きたかは、別の記事に書いています。

▶ 転職で年収が下がった|残業は減ったのに不安が消えなかった理由

よくある質問

Q. 求人票は誰でも見られますか?

ハローワークインターネットサービスで公開されている求人情報は、求職申込みをしていない方でも閲覧できます。ただし応募の手続きには、窓口での職業相談などが必要になります。

Q. ネットで見つけた求人に、そのまま応募できますか?

私の場合は、ネットで探した求人を持って窓口へ行きました。公式に案内されている流れでも、求人を選んだあとに窓口で条件を確認し、紹介状の発行を受けることになっています。なお求職者マイページを開設していれば、オンラインで職業紹介を受けられる求人もあります。

Q. 賃金の幅は、下のほうで決まることが多いのですか?

実際にいくらで決まるかは、経験や資格の評価によって変わるため一概には言えません。公式に意味が定義されているのは下限額のほうで、「応募基準を最低限満たす人を採用した場合に支払う予定の金額」とされています。見積もりの基準に置くなら、下限額のほうが根拠を説明しやすいはずです。

Q. 賞与「年2回」と書いてあれば、必ずもらえますか?

求人票の「昇給」「賞与」欄は前年度実績であり、採用後の待遇を約束するものではない、とハローワークが明示しています。過去の実績として参考にはなりますが、確定した金額として年収計算に組み込むのは避けたほうが無難でしょう。

まとめ|求人票は正しく読める。ただ、書いていないこともある

整理します。

ハローワークの求人票は、各欄の意味が公式に決められています。賃金の下限額にも定義がありますし、賞与欄の位置づけにも注意書きが添えられています。読み方を押さえれば、書いてある内容は正確に受け取れます。

求人票を見るときのセルフチェック

  • 賃金は下限額で見積もった
  • 固定残業代が含まれるかを確認した
  • 額面と手取りの違いを踏まえて計算した
  • 「昇給」「賞与」が前年度実績であることを理解した
  • 自分が重視する項目を、並び順に引きずられず確認した
  • 分からない欄を、そのままにしていない

そのうえで、私が後から気づいたことをもう一度書いておきます。求人票が答えてくれるのは「この会社の条件」までで、「その条件が自分にとって妥当か」は別の話でした。

私はその部分を持たないまま、2回の転職を進めました。求人を探す機能と、自分の評価額を知る手段は、そもそも別のものだったのだと思います。

では、その部分をどうすればよかったのか。エージェントを使わなかった私が今どう考えているかは、別の記事にまとめました。

▶ 転職エージェントを使わなかった私が、今なら使う理由

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